2024/02/15 12:00




前回は、木製の道具を使った『栃へし』と呼ばれる栃の皮を剝く作業をお伝えしました。

今回は、灰を使って栃の実のアクを抜く作業をお伝えしてゆきます!


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皮を剝いた栃の実を流水に晒してから1週間後、栃の実に灰を被せる作業をしてゆきます。
が、この作業も簡単そうに見えてなかなか奥が深く、
30年程作り続けている地域の方でも、毎年同じように作れるかは出来上がってみないと分からないそう。
栃餅を作っている友人や知り合いなどと情報交換をし、少しずつ良くしてゆこうと今も試行錯誤されながら作ってらっしゃいます。

「 どの作業も上手くいくか不安で緊張するけど、この灰の作業が味の決め手を左右するから、もーんのすごぉ緊張するんや~! 」
とのこと。



先ずは、1週間水に晒した栃の実を流水で洗い、ザルにあげます。

(皮を向いた栃の実は、こんな風になります。)



次に、栃の実を湯がいていきます。

ある程度茹でたら、ザルに上げバケツに移し灰を被せてゆきます。
この時使う灰も質の良い灰を使うのがポイント!


栃の実にまんべんなく灰が行きわたるように混ぜた後、熱めのお湯をかけ更に混ぜてゆきます。



例えると、灰の泥で栃の実を覆い隠すような感じです。
お湯をかけた後の灰の柔らかさも絶妙な加減で調整してゆきますが、この感覚は長年やってきた経験が重要なのかもしれません。



その後は、バケツに蓋をして毛布に包み暖かい部屋で一晩寝かせます。
家庭によってやり方は様々らしいのですが、昔はコタツの中に入れていたり、電気行火(でんきあんか)に包んだりされていたそうです。



(あたため過ぎたり、置きすぎると栃の実が溶けてしまうので注意とのこと。)



翌日、セメントのように固まった灰を丁寧に洗い流すのですが、この作業も一粒一粒、優しく洗ってゆくのでかなり時間がかかります。
洗った後、水を切って保存袋などに移し替えて翌日の餅つきまで涼しい所で保管しておきます。

それから、栃の実の量に合わせもち米を計り浸水しておきます。
この割合も、もち米が多すぎると栃餅にした際に白っぽくなり風味もあまりしなくなるそうです。

美味しい栃餅が出来るまであともう少し…



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次回はいよいよ、最後の大仕事!栃餅をつく様子をお伝えします!
お楽しみに!

追記:


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